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本気でやったのかな? [交通]

JR宝塚線の脱線事故で,10人が書類送検されましたが,大手各紙 (+神戸新聞) の報道内容を見ていると,唖然とするのですが……。

  • JR西日本・山崎社長ら10人書類送検 宝塚線脱線事故 @ 朝日新聞

    山崎社長や梅原利之・JR四国相談役(69)ら5人は、96年12月に現場カーブを半径600メートルから同304メートルの急カーブに付け替えた際に自動列車停止装置(ATS)の設置を怠り、事故を発生させた疑いがもたれた。

  • JR西社長ら書類送検 起訴の余地残す 脱線事故 @ 神戸新聞

    その上で、一九九六年に現場カーブの形状を半径六百メートルから三百四メートルに変更したことで、最高速度とカーブの制限速度に五十キロの速度差ができる危険な状態になったにもかかわらず、自動列車停止装置(ATS)が設置されていなかった点を重視した。

  • 福知山線脱線事故:JR西日本の山崎社長ら10人書類送検 @ 毎日新聞

    • 山崎氏、梅原氏、池上氏、仲井氏、長谷川氏=現場が急カーブに変更された96年当時、自動列車停止装置(ATS)設置などの安全対策を怠った。
    • 徳岡氏、村上氏=現場へのATS設置が決まった03年9月以降、事故までATS設置を完成させなかった。
  • JR西社長ら書類送検 尼崎脱線事故、業過致死傷容疑で10人 @ 日本経済新聞

    県警は、9人のうち山崎社長ら5人について、現場カーブの危険性を認識できたのに、新型の自動列車停止装置(ATS)の設置を怠ったと判断。

  • JR西社長ら10人を書類送検 福知山線事故で兵庫県警 @ 産経新聞

    捜査本部は、現場に自動列車停止装置(ATS)があれば事故を防げたと判断。

  • 福知山線事故、JR西日本社長ら10人書類送検…兵庫県警 @ 読売新聞

    発表によると、山崎社長ら5人は、1996年12月に現場カーブを半径600メートルから304メートルに付け替えた前後に、安全対策を担当する鉄道本部の幹部らだったが、自動列車停止装置(ATS)を設置しなかった。この結果、2005年4月25日、快速電車(7両)が速度超過で現場カーブに入って脱線し、乗客を死傷させた疑い。

えーっと,これらって,冗談……ですよね……。

  1. 現場に「ATS」は設置されていた (ATS-SW型)
  2. マスコミが言う「新型ATS」とはATS-P型らしいが,ATS-P型だけでは速度超過は防げなかった (常時照査だから,120km/h程度を超えることはできなかったと思われるが,事故調の報告書だと116km/hだから十分その速度を超えることができる)
  3. ATS-SWには点照査とはいえ速度照査機能を持っているので,照査をクリア後加速しない限り,速度超過は防げた
  4. ATS-Pにおいても,結局は地上子を用意する必要があり,それを用意しなければ速度超過は防げなかった (さらに,元々地上子の設置予定はなかったはず)

という「常識的な判断」により,「ATS設置を怠った事」「ATSを完成させなかった事」を罪に問えないのではないかと思います (というか,裁判員制度によって裁判員に選ばれたら,感情抜きにこれらの件について無罪とすることでしょう)。

当然,捜査員よりも知識のあるであろう送検された人達はこれくらいしっているでしょうから,ATSを設置していなかっただの,ATS-Pを設置していなかっただのを理由にすれば,論理できっちりと論破されると思われます。 なんで,こんな穴だらけの論理で送検するのか,不思議でなりません。


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